2017・待つ/ さいたまゴールド・シアターも参戦、エチュード発表

さいたまゴールド・シアターも参戦、エチュード発表

 いよいよ『2017・待つ』初日の4月27日まで1ヶ月を切ろうという3月25日 (土)、第一回エチュード発表が行なわれました。場所は、彩の国さいたま芸術劇場の地下にある大稽古場。
発表作品は全6作。作品タイトルと内容はここでは未だ伏しますが、ざっと概要をお届けします。

 かつてニナガワ・スタジオに所属し、蜷川幸雄と演劇をつくっていた9人の俳優たちが「僕たちの再 戦」というキャッチコピーで『2017・待つ』を上演することになりました。

公演チラシで“蜷川が吠えた!!「お前ら、待つをテーマに自分の現在を描く作品を創ってこい!」そう して、『1991・待つ』が立ち上がり、そのシリーズがはじまりました。最後の『 待つ』から14年。今再 び僕たちが待ち続けたモノ、そして今も待ち続けるモノは何なのか、もう一度闘ってみようと思います 。”と決意表明した9人の俳優たちに、『待つ』とは何なのか、蜷川幸雄と戦った日々とは、そして、彼 ら9人は何者で、どこから来て、これからどこへ行こうとしているのか問いかけていきたいと思い、ベニサン・スタジオが閉じた 2009年から止まっていた〈ニナガワ・スタジオの人々〉WEBも8年ぶりに再起動します。
本番まで彼らの闘いをレポートする予定です。



1. 大石継太 + さいたまゴールド・シアターの有志一同 + ネクスト・シアターのふたり
/井上尊晶演出

 最初は、井上尊晶さん演出で、大石継太さんとさいたまゴールド・シアターの有志一同とネクスト・シアターのふたりによる作品。ゴールド・シアター(一部)の方々は4月の『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』の稽古の合間に、『待つ』に参加することになりました。
大石さんとゴールドは初共演。稽古のとき、どんどん出てくる大石さんのアイデアにゴールドの方々は圧倒されている様子。井上さんは、ニナガワ・スタジオ、ゴールド・シアター、ネクスト・シアターの3世代を混ぜたいと考えているそうです。なかなか大作感がありました。



2. 妹尾正文 + 堀文明

 次は、妹尾正文さんと堀文明さん。いくつかの戯曲や小説を引用しながら妹尾さんがオリジナル部分を足していった作品。終わると、妹尾さんはほっとした様子で、口数が増えていました。ベテランといえどもやっぱり発表前は緊張するものなのですね。堀さんの演技力が光り、みんな「うまいうまい」と絶賛でした。



3. 清家栄一

 それから、清家栄一さんの一人芝居。ひとりで30分の熱演です。途中から鳴り出すSE が印象的でした。年齢的には若くはないのに(すみません)カラダのキレが良かったです。



4. 塚本幸男 + 飯田邦博

 次は、少々凝ったセットをつくりこんだ、塚本幸男さんと飯田邦博さんの作品。塚本さんが昔、スタジオのエチュードでやったことがある思い出の作品だそうです。彼らのもつキャラクターのせいでしょうか、それまでの3本、ずっとシリアスだった空気が、ここでは和んで笑いが漏れました。




5. 新川將人 + 野辺富三

 次の新川將人さんと野辺富三さんの作品にも笑いが。座談会のとき仲良さそうだったふたりが挑んだのは少々ナンセンスな会話劇。カラオケボックスで台本読み合わせをしたものの、半分はカラオケを歌っていたとか。ほのぼのしますね。



6. 大石継太 + 岡田正

 最後は、大石継太さんと岡田正さん。 待機している大石さんを見て「人相が違う」とゴールド・シアターの人たちが尊敬の眼差しを。 大石さんと岡田さんは、ある役を演じるために、扮装に凝っていました。扮装だけでなく動作もとても考え抜かれたものです。岡田さんは、いつか何かをやるときにと台本探しは続けていたそうで、ずっと気になっていた戯曲を今回選んだそうです。



 ここまでトータル約3時間。最初の作品から最後の作品まで、別々に稽古をしているにもかかわらず、不思議とリンクしているところがあって、6作の構成が見事。短編のオムニバス形式の3時間は飽きずに疲れずに楽しめます。
 彼らがこういうエチュードをやるのは、14年ぶりだそう。
スタジオ公演がなくなってからは一度もやってなかったと言いますが、そうは思えない、良い意味で手慣れた作品選びと芝居の運びです。
 座談会で話していた、毎日毎日稽古して定期的に作品を発表していたことが血肉になっているようです。各々のエチュードが終わると、みんなで声をかけあっている感じも長年の関係性の深さを感じました。

 彼らが選んだ作品は何なのか。本番まで秘密なのか。どこかで明かされるのか。もしかしたら、今回の発表を踏まえて、変更もあるかもしれないとのことで、まだまだ試行錯誤が続きそうです。一本一本、短くしたり、作品と作品の間を重ねるなど工夫したりしないといけないかなと妹尾さん。
 さて、どうする、ニナガワ・スタジオの人々。その日も、エチュードの後、打ち合わせが白熱しました。


取材・文/木俣冬
デザイン/田淵英奈